葉牡丹は、5月初旬に咲く花の王「牡丹」に似ていることから名付けられたもので、冬季の花材の乏しい時代には重宝したものです。しかし、葉が大きく密集した姿が重く、趣もないと云うことで敬遠されるように素材の一つだが、近年また注目を集めるようになった。それは栽培過程で手を加えた「おどり葉牡丹」の出現と、品種改良の「孔雀」「珊瑚」などが作出されたからである。おどり葉牡丹は新芽を掻き取り、側枝を出させたもので、これにより茎は曲になり、全体に小振りになり重苦しさがなくなったもの。また、葉の切れ込みが深い珊瑚、孔雀系の出現で色彩面でも明るくなり、観葉植物と同様の扱いが出来るようになった。和洋問わず調和もとりやすく、利用範囲は広がっている。従来種と比較してやや水揚げが悪いのが難点だが、深水養生したり、投入などでは根洗いで使うなどの工夫をすれば日持ちします。
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